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【SF】2013第1戦鈴鹿:残り1周半でまさかの逆転劇!伊沢拓也がSF初代ウィナーに!
- 2013/4/14
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スーパーフォーミュラの開幕戦鈴鹿。いよいよ決勝レーススタートの時間となった。
午後になり少し曇り始めた鈴鹿サーキット。決勝前のグリッドでは恒例のグリッドウォークが行われ、賑やかなスタート進行となった。
ポールポジションは伊沢拓也(DOCOMO DANDELION RACING)、2番手に小暮卓史(NAKAJIMA RACING)とホンダエンジン勢がフロントローを独占し、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、松田次生のLenovo TEAM IMPULが2列目につけるグリッド。スポット参戦で注目を集める佐藤琢磨(TEAM無限)は6番手スタートとなった。
フォーメーションラップを終えてスタートが切られると、伊沢が順当にホールショット、小暮、松田、JP、琢磨と続いていく。予選の勢いをそのままに伊沢がリードを広げていくのかと思われたが、小暮がすぐに間合いをつめていき2周目の1コーナーでオーバーテイク。ここから1周約1秒のペースで逃げ始めた。
決勝ではタイヤ交換義務等はなく、最低でも給油のために1回のピットインが必要。特に今回は300kmと距離が長く、2ストップ作戦を敢行するチームもあるのではないかと言われていた。小暮はあっという間に5秒以上のリードを築いていき、2ストップ作戦のペースで周回を重ねた。スタートで5番手に上がった琢磨。その後少しずつ順位を落とし9位を走行していたが、フライングだったことが判明し痛恨のドライブスルーペナルティを受けてしまう。今回は予選から好調だっただけに悔やまれるフライング。18位まで後退してしまった。
レースは小暮が独走し、ややこう着状態が続いたまま中盤に突入。15周を過ぎると各チームのピット作業が始まっていく。まずは16周目に中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)がピットイン。これでナカジマレーシングは2回のピットストップ作戦だということが改めて判明する。チームメイトの小暮も21周目にピットイン。しかし燃料をたっぷり積んで34.2秒でピットアウト。誰もが予想していなかった1回のみのピットストップだった。これに気付いた伊沢サイドも一気にプッシュし逆転を狙って26周目にピットイン。小暮より前でコースに復帰するもタイヤが温まっておらず、すぐに2コーナー出口で抜かれ、結局小暮を逆転することはできなかった。
レース後半は、その後方の3位争いが盛りあがる。序盤から3位をキープしていた松田に、5番手スタートの山本尚貴(TEAM無限)がピットストップで順位を上げ4位に浮上。そこから1分41秒台を連発し、少しずつ松田を追い詰めていく。一方の松田はフロントタイヤが摩耗し、思うようにペースが上がらない。山本も消耗し始めたタイヤにムチを打ってプッシュし、松田攻略にかかる。
背後の気配を察知した松田は残っている西ストレートでオーバーテイクスイッチを使い、シケインで仕掛けようとする山本から必死に逃げる。一方の山本もシケインから1コーナーで仕掛けようとオーバーテイクスイッチを使うが、後一歩届かない。2人の一進一退の攻防にサーキット全体が注目した。
3位争いが白熱する一方、小暮の2010年以来の優勝が目前に迫ってきた49周目、小暮に予想外の事態が起こる。エンジンが不調でパワーダウンしペースが落ちてしまう。2.8秒後方にいた伊沢はチャンスとばかりプッシュ。なんと50周目の西ストレートで逆転に成功。なんと残り1周半で思いもよらぬ形でトップが交代。伊沢はそのままトップチェッカーを受け通算3勝目、スーパーフォーミュラになってから初のウィナーとなった。
ファイナルラップに入っても小暮のペースダウンは続き、3位争いをしていた松田、山本も接近。松田はシケインでアウトから飛び込み2位を奪還。山本も抜きにかかるが小暮も必死に応戦。2台は並んだままチェッカーを受け、わずかの差で小暮が先着。山本は悲願のシリーズ戦初表彰台をたった0.065秒差で今回も逃す結果となってしまった。
優勝した伊沢は「思いもよらぬ形で優勝することになったけど、ここまでシーズオフのテストを通してチーム全体で努力して準備してきた結果が今回でたと思います。」とコメント。鈴鹿サーキットを51周、300kmの長丁場レースとなった今回の開幕戦だったが、トップ4台がわずか3秒以内にひしめいた状態でのチェッカーと、予想以上に大接戦ということを予感させる今シーズンの開幕戦となった。
『記事:吉田 知弘』
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