3月の開幕に向けて少しずつ動き始めているF1。そんな中、2013シーズンで最も注目されるドライバーの一人が名門マクラーレンに移籍したセルジオ・ペレス(22歳)だろう。
2011年にザウバーチームからデビューを果たしたペレス。ルーキーイヤーから存在感のある走りをみせ、時にはチームメイトの小林可夢偉を上回る結果を出したことも会った。2年目となった昨年はさらに上位をおびやかす存在となり、第2戦マレーシアGPではフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)と優勝争いを展開。彼を攻略することはできなかったが2位表彰台を獲得。これを含め計3回ポディウムを経験。66ポイントを稼ぎドライバーズランキングも10位と躍進したシーズンだった。その活躍がきっかけとなり今季は名門マクラーレンチームのシートを獲得。1月9日にイギリスにあるマクラーレン本拠地を訪問。チーム代表のマーティン・ウィットマーシュに挨拶するなど、チームの一員として本格始動した。
マクラーレンのチームウエアに袖を通して登場したペレスは「最大の目標は勝つこと。ザウバーの時は決勝で最大のポテンシャルを発揮できるように予選が少々悪くても気にしていなかったが、マクラーレンではポールポジションを獲得して、レースに勝つことが求められる。より多くのプレッシャーがかかるかもしれないけれど、楽しみだ。」とコメントした。
これまで在籍していたザウバーとは異なり、常にチャンピオン争いに絡んできたマクラーレン。いくら新加入の若手ドライバーとは言っても、その任務は重大なものがある。毎レースで表彰台に匹敵する成績を求められることはもちろん、万が一上手くいかないことがあってもポイント獲得は必須項目となってくる。昨年9月末にマクラーレン移籍が決まって以降、ミスやアクシデントで簡単にリタイヤしてしまうレースが多く、残り6レースで1ポイントも獲得できなかった。新天地での実戦を前に課題が残ってしまった。
もちろん、名門マクラーレンでは些細なミスも許されない。過去に何人もの若手ドライバーがトップチームのシートを獲得するチャンスを得てきたが、“安定した結果”をしっかり残すことができずに、生き残れなかった者も少なくない。ペレスにとって今年は「やり直しが効かない“勝負のシーズン”」になるだろう。
F1での経験は2年、今月末で23歳になる若いペレスにとって少々大きなハードルになるかもしれないが、実は約10年前(2002年)に当時22歳だったキミ・ライコネン(2007年F1王者/現ロータス在籍)もザウバーで大活躍してマクラーレンに移籍。そこから苦労した時期もあったが今ではF1で最も注目されるドライバーの一人にまで成長したという実績もある。
果たして、ペレスはマクラーレン加入という千載一遇のチャンスをしっかり形にできるか?開幕はまだ2ヶ月先だが、彼の2013シーズンと直前に行われるプレシーズンテストの走りから目が離せない。
『Photo:Vodafone McLaren Mercedes』
『記事:吉田 知弘』
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