お昼のピットウォーク前には、今週末で最も注目を集めている1台「マツダ787B」がファンの前に姿をみせた。
10時45分から「世界に通ずる鈴鹿1000km」というコーナーで、鈴鹿を代表するレースの一つ「鈴鹿1000kmレース」で活躍したマシンがデモ走行を行った。
つい2週間前にも第41回インターナショナルポッカ1000kmが行われたばかりの鈴鹿サーキット。今ではSUPER GTのシリーズ戦に組み込まれているが、過去にはFIA GT選手権として開催されたりグループCカーが参戦していた頃もあるなど、昔から多くのファンに愛されてきたレースの一つである。
この1000kmデモランも1960年代のマシンからマツダ767、日産R90CKなどのグループCカーが登場。懐かしいエキゾーストサウンドに、グランドスタンドを埋め尽くした多くのファンは当時のレースを思い出すかのように、マシンに釘付けになっていた。
往年のマシンの走行が終わると、今度は“元祖日本一速い男”星野一義が駆るスカイラインGT-R(R32)と、現在も日産のエースとしてSUPER GTに参戦する本山哲がザナヴィニスモGT-R(R35)が登場。1周のウォームアップ後、メインストレートのグリッドについた2台。急きょ師弟関係の2人による新旧GT-Rバトルに発展し、本番さながらのデモ走行がスタートした。レッドシグナルが消えると共に勢いよくスタートした星野が先行し1コーナーを通過。弟子である本山が追いかける展開となったが、最終コーナーで追いつき、2台並んでチェッカーを受けた。迫力ある走りをみせてくれた2人にスタンドは拍手が沸き起こった。
そして、最後の最後に待ちに待ったマツダ787Bが登場。ステアリングを握るのは“Mr.ル・マン”寺田陽次郎氏。長谷見昌弘氏が駆る日産R92CPと共にコースイン。甲高いロータリーサウンドが鈴鹿に響き渡った。
先ほどのGT-Rと同じようにグリッドスタートからデモ走行を始めた2台。すでに現役で走っていた頃から20年経っているため、マシンを壊さないように丁寧なドライビングをみせた寺田氏と長谷見氏。ル・マンで総合優勝したときと変わらない元気な姿をファンの前に披露した。
初日の午前中から、今イベントのハイライトシーンとなるような感動的なデモ走行が行われた鈴鹿サーキット。午後からもF1マシンを中心に、まだまだ注目の2輪・4輪のデモ走行が行われる。
『記事:吉田 知弘』
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