【SUPER GT】第8戦もてぎではau TOM’S GR SupraとVENTENY Lamborghiniが盤石の体制で完勝。いよいよタイトル争いは佳境へ

  • 2024/11/14
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SUPER GT Rd.8 MOTEGI
Onodera Rino

 11月3日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで2024スーパーGT第8戦『MOTEGI GT 300km RACE』が行われ、GT500クラスは#36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)、GT300は#88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が優勝を飾った。

【予選】雨の中で赤旗続発の荒れ模様に。

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 前戦の第7戦オートポリスでは、悪天候によるワンデー開催とハードなスケジュールとなった。今回の第8戦もてぎも予選日となる2日も天候が心配されていたものの、予選は雨のなかで予定通り行われた。今回からGT300クラスの予選は新しい予選方式が導入され、Q1での組分けが廃止されて全車が20分間のQ1を一斉に走行する形式となった。今回は朝からの雨の影響で予選もウエット宣言が出されたため、GT300はタイム合算ではなく、Q2のタイムが適応される。

 Q1では#7 Studie BMW M4の荒聖治、#45 PONOS FERRARI 296のケイ・コッツォリーノがワン・ツーに並ぶものの、やや雨が強まった影響により数台がビクトリーコーナーでスピンを喫していた様子もあった。88号車VENTENY Lamborghini GT3も同コーナーでスピンを喫したタイミングで、雨量が増えたためとして赤旗が提示された。

 セッション中断中に少しずつ雨量が減少し再開を迎えると、各車が一斉にタイムアップを図る。#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)を初め、続々と自己ベストを更新させていくなか、#9 PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG(阪口良平/冨林勇佑)がS字コーナーで車両を停めたため赤旗に。そのままセッションは終了となってしまった。

 15番手以下のグリッドが決まるロワー15では、#20 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎)がトップタイムをマークし、15番グリッドを獲得。2番手には#2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)、3番手には88号車VENTENY Lamborghini GT3が続いた。ランキング上位につける2台は、中団グループからのスタートに臨むことに。

 続くポールポジションおよび14番手までのグリッドを決めるアッパー14では、古銭が繰り広げられた。まずは61号車SUBARU BRZの山内英輝が首位に立つと、#65 LEON PYRAMID AMGの篠原拓朗が、7号車Studie BMW M4のニクラス・クルッテンがそれぞれトップタイムを更新。ここで決まったかとも思われたが、終了間際に#31 apr LC500h GTの小高一斗が、1分57秒322をマークしてポールポジションを獲得した。

 GT500クラスの予選Q1はウエット宣言のもと霧も出現するコンディションでスタートした。#100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTの牧野任祐がトップタイムを築くと、その後も1分50秒445までタイムを短縮。すると、#14 ENEOS X PRIME GR Supraの福住仁嶺が1分49秒984をマークし首位が入れ替わる。ところが、#64 Modulo CIVIC TYPE R-GTの大草りきが1分49秒235を叩き出し首位を奪取し、トップでQ2に臨んだ。

 続く予選Q2では、路面上に雨量が残りつつあるものの少しずつ状況は回復。序盤から64号車Moduloの伊沢拓也が大草に続く好タイムをマークすると、その後100号車STANLEYの山本尚貴と16号車ARTAの大津弘樹も更新し、ホンダ勢が好調ぶりを発揮。すると、64号車Moduloの伊沢が再びアタックに入ると、1分48秒656をマークし、合算タイムで首位を固める。3年ぶりのポールポジションを獲得した。

 終盤には#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8の松下信治が、1分48秒077とQ2トップタイムを叩き出し、合算タイムで2番手を獲得。3番手にはポイントリーダーの36号車au山下が続き、チャンピオンシップを考えても好位置から決勝に挑めることとなった。

【GT500】auスープラが盤石のレース運びで今季2勝目! 2年連続チャンピオン獲得へ邁進

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 決勝日は予選日とは打って変わり、朝から青空が広がり快晴に恵まれた。絶好のコンディションの下で迎えた決勝では、ポールポジションの64号車Moduloが好スタートを切る。後方には8号車ARTA、36号車auが続き、オープニングラップでは上位集団の動きはなかった。

 中団では39号車DENSOが16号車ARTAをパスし、5番手スタートだった#14 ENEOS X PRIME GR Supraは8番手まで順位を下げるなど、動きが見られた。そのままクリーンな状態で周回を重ねていくと、7周目にはピットレーン出口あたりでGT300クラスの車両がストップしていたためにFCY(フルコースイエロー)が導入された。翌周にスタートを迎えると、直後に2番手ARTAが64号車Moduloとやや接触しながらもバトルを繰り広げ、首位を奪取。

 9周目にはまたもFCYが発動し、再開直後には再びバトルが勃発。8号車ARTAが、64号車Moduloと36号車auと立て続けに先行を許し、3番手に後退。すると、36号車auの坪井は11周目の5コーナーで64号車Moduloの伊沢拓也をも捉えてトップに躍り出た。スープラ勢が好調を見せるなか、チャンピオン争いに関わっている37号車Deloitte TOM’S GR Supraはエンジントラブルからか、ガレージにマシンを入れることに。

 ただ、上位では38号車KeePerが8号車ARTAと64号車Moduloの2台を立て続けに捉え、トヨタGR Supraのワン・ツー体制が築かれた。3位争いは8号車ARTAが21周目に先行することとなった。このタイミングで23周目には続々とルーティン作業を行うチームが現れ、38号車KeePer、8号車ARTAと16号車ARTAが作業を遂行。25周目に36号車auもピットにマシンを運び、完璧な作業で山下をトップを維持したまま送り出すことに成功した。

 GT500クラスでは全車がミニマムの戦略を採用していたが、トップの36号車auは2番手の38号車KeePerにすでに大きなマージンを築いており、なかでも完璧な独走体制をとっていた。対して、序盤に上位争いを演じていた64号車Moduloはピット作業での遅れもあったのか、トップ10圏外まで順位を下げる厳しい展開を強いられていた。

 以降も36号車auは独走でトップ快走を続けるなか、その後方では38号車KeePer CERUMOの大湯、8号車ARTAの野尻がテール・トゥ・ノーズの2番手争いを展開。さらに4番手には16号車ARTA、5番手には39号車DENSOが続いていた。

 少し後方には、100号車STANLEYの山本尚貴を先頭に大きな隊列が組まれていた。45周目にはGT300クラスの車両が1コーナーでコースオフし、3度目のFCYが発動するとほぼ同タイミングで、14号車ENEOS X PRIME福住仁嶺が、100号車STANLEYの山本をパス。

 残り10周ほどになると、38号車KeePer大湯に対して8号車ARTA野尻が詰め寄り、ついに2番手を奪還。その一方で背後では、6番手を奪っていた14号車ENEOSの福住がスロー走行となり、ポジションを下げてしまった。

 そしてレースは終わりの刻を迎え、トップ快走の36号車auが2番手に20.513秒のリードを築いてトップでチェッカーを受けた。完璧なレース運びで今季2勝目を飾り、2年連続でのタイトル獲得に向けて大きなリードを築いた。2番手には8号車ARTAが入った。終盤には4番手を走行していた16号車ARTAが38号車KeePer CERUMOが迫る場面も見られたが、ここは38号車KeePer CERUMOに軍配が上がり、表彰台を獲得した。

 この結果、36号車auがポイントリーダーを維持。100号車STANLEYは6番手でチェッカーを受け、トップと18ポイント差の2位につけており、タイトル獲得の可能性を僅かに残している。3位表彰台を獲得した38号車KeePer CERUMOはトップと22ポイント差の3位につけている。

【GT300】VENTENYランボが怒涛の追い上げで2連勝!タイトル争いの可能性は3台へ絞り込まれる

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 GT500に続いてスタートの時を迎えたGT300クラスは、ポールスタートの31号車apr LC500hが好発進を見せる。2番手には7号車Studie、その背後にはランキングトップの65号車LEONが、18号車UPGARAGE NSX GT3をかわして3番手に浮上していた。その後も18号車UPGARAGEは61号車SUBARU にも先行を許し、5番手まで後退する。

 後方では17番手から早々にポジションを上げていた88号車VENTENYの元嶋が、45号車PONOSに迫るなか、ホームストレート上では11号車GAINER TANAX Zがストップし、FCYが導入されることに。翌8周目から再開されたものの、今度は25号車HOPPY Schatz GR Supra GTがS字コーナーのグラベルにストップしたため、ふたたびFCYの展開となった。

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 立て続けに慌ただしい展開となったが、リスタートを迎えると88号車VENTYは6番手まで順位を上げる好調ぶりを発揮。その後は順位変動もなく落ち着いた状況が続いていたが、レースは3分の1の周回数を過ぎてピットのタイミングとなる。22周目に2号車mutaを始め、各車が続々と作業を済ませていくなか、31号車apr LC500hもピットに入り、ブリヂストンが得意としているタイヤ無交換作戦を採るチームの姿もあった。

 31号車apr LC500hは首位をキープしたまま復帰したが、その後はタイヤの摩耗に苦しむ展開となる。後方で65号車LEONの篠原と88号車VENTENYの小暮が接近戦を繰り広げ、88号車VENTENYの小暮がそのバトルを制すると、一気にトップに詰め寄る。時折スリーワイドにも発展しながら、37周目に88号車VENTENYの小暮がトップに躍り出る。続いて65号車LEONの篠原も31号車apr LC500hを攻略し、2番手に浮上した。

 44周目に入ると、61号車SUBARUの山内が90度コーナーでややコースオフする姿が見られ、その後1コーナーでマシントラブルからかスピンオフ。2戦連続のリタイアでレースを終える悔しい結果になってしまった。3度目のFCYを経てリスタートが切られると、31号車apr LC500hは87号車METALIVE Sに交わされて順位を落としてしまう。さらにはGT500クラスの2台とS字コーナーで接触されるという不運に見舞われ、8番手まで後退した。

 トップでは、88号車VENTENYが依然として独走状態で快走を続けており、最後までその座を死守し続けて今季3勝目を飾った。17番手からのスタートながらも、前戦オートポリスに続いて連勝を挙げ、ランキング2位に浮上。2位にはランキングトップの65号車LEONが続き、3位には18号車UPGARAGEが表彰台を獲得した。2号車mutaはタイヤ無交換作戦がうまく機能せず、13位となった。

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 この結果、65号車LEONがポイントリーダーを維持したまま最終戦へ臨むことになる。今回優勝を飾った88号車VENTENYは11ポイント差の2位につけ、タイトル獲得に向けて大きく前進。2号車mutaはランキング3位に陥落したものの、トップとは20ポイント差でまだチャンピオン獲得の可能性は残されている。GT300クラスのタイトル争いはこの3台に絞り込まれている。

 いよいよ2024年シーズンのスーパーGTは次戦の鈴鹿で最終戦を迎えるが、全車サクセスウエイトなしのガチンコ勝負となる。各クラス熾烈なチャンピオン争いが繰り広げられているが、どのチームが制するのか注目したいところだ。第5戦『SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL』は12月7〜8日に三重県の鈴鹿サーキットで行われる。

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