【SUPER GT】荒天に見舞われた第6戦SUGO、37号車Deloitte TOM’Sと65号車LEON AMGが猛追の末に逆転優勝!
- 2024/9/30
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悪天候により朝の公式練習では赤旗続出。午後の公式予選もキャンセルに
2024年のSUPER GTシリーズは、8月31日・9月1日に予定していた第5戦鈴鹿が、台風の影響で12月に延期され、9月21〜22日には宮城県のスポーツランドSUGOで2024スーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』が行われた。
金曜日から不安定な天候となり、土曜日の予選日も朝から雨に見舞われた。9時15分から行われた公式練習では、セッション開始早々に#52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹)がクラッシュし赤旗中断。その後も雨の影響で続々とGT300の車両がスピンを喫する場面も見られた。
9時45分には天候悪化の理由で2度目の赤旗が出され、しばし様子を見ることに。少し雨脚が弱まったところでセッションが再開されると、GT500とGT300の両クラスが続々とタイムが更新された。
しかし、その後もGT300クラスのコースアウトやクラッシュが相次ぎ、その都度中断となった。結局、GT300専有走行の途中で終了となり、ほとんどの車両が十分な走り込みができないままセッションを終えた。
14時45分から行われる予定だった公式予選も、雨量が多いことから開始時刻が順延された。30分ほど様子をみる時間が続いたが、天候回復が見込めないため予選はキャンセルとなった。
これにより、朝に行われた公式練習のタイムがグリッド順となり、GT500は38号車のKeePer CERUMO GR Supra、GT300は20号車のシェイドレーシング GR86 GTがポールポジションを手にすることとなった。ただ、予選自体は実施されなかったため、予選ポイントは付与されない。
予選のキャンセルに伴い、ピットウォークが急きょ開催され、雨のなかでも多くのファンがピットウォークに参加し、各チームがファンサービスを行っていた。
【GT500】37号車Deloitte TOM’Sが今季2勝目!ランキング争いも激化
初日からの荒天によりセッションも荒れた展開となったが、決勝日の日曜日も朝から強い降雨に見舞われた。天候状況を鑑みて、決勝のスタート時刻が予定より約1時間遅らせることが決まり、フォーメーションラップスタートが14時15分、レースの最大延長時間も16時45分まで延長されることとなった。
13時を過ぎると一気に小雨状態となり、13時55分からグリッドウォークも実施されたが、その際には雨具も必要ないほどにまで回復しており、多くのファンがホームストレート上でスタート前のマシンや各チームを見届けていた。
セーフティカー先導でレースが始まり4周目からレースは本格的にスタート。GT500クラスの車両が一気にスピードを上げてホームストレート上を通過していく。
ポールスタートとなった38号車KeePerの石浦が好スタートを切ったが、その後ろは後続車両に飲み込まれ大渋滞となる。そのなか#12 MARELLI IMPUL Zのベルトラン・バゲットが#36 au TOM’S GR Supraの坪井を捉えて2番手に浮上する。先行を許した36号車au TOM’Sの坪井は、一時的にポジションを落とすも、見事な追い上げオーバーテイクを披露して5周目には再び2番手へと順位を戻していた。
後方スタートの#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT(大津弘樹)は、いくつか挽回を見せていたが、13周目の2コーナーでGT300車両と接触。さらに#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT(松下信治)も16周目にグラベルへ突っ込む形となり、2台揃って最後尾へと順位を落としていた。16号車ARTAは後に「危険な走路復帰」と判断され、ドライブスルーペナルティが宣告された。
38号車KeePerがトップを死守していたが、その背後には早々に2番手を奪取していた36号車au TOM’Sの坪井が迫る。その差はどんどん詰めていくと、16周目にはついに逆転して36号車au TOM’Sがトップに躍り出た。その後方では12号車MARELLIを先頭に17号車Astemoと14号車ENEOSの3台による3番手争いが激化。この結果12号車MARELLIは4番手まで後退することとなり、17号車Astemoと14号車ENEOSはその後ハイペースを披露して38号車KeePerをも捉えていく。
ペース的にもやや厳しい状況となった38号車KeePerと12号車MARELLIは、その後#37 Deloitte TOM’S GR Supraにも先行を許すこととなった。レースは26周目へと突入すると、GT300でのクラッシュによりSCが導入。その後、ピット作業を終え猛攻を続ける37号車Deloitteは、14号車ENEOSと17号車Astemo、36号車au TOM’Sを次々に捉えて首位へと浮上する。
すると、レースの折り返しを迎えるところでまたもGT300クラスの車両がコースオフ。このタイミングで上位陣が次々とピットストップを決断した。この間、車両回収のためFCY(フルコースイエロー)が宣言されるも、直後にはSCランに切り替わり、レースは50周目にリスタートを迎えた。
この後、37号車Deloitteのアレジに39号車DENSO KOBELCOの中山雄一が迫るも、アレジは自己ベストを更新して追撃を許さない。ポールスタートである38号車KeePerの大湯もスリックタイヤを履き、ここに来て見事な追い上げを見せる。驚異的なハイペースで前との距離を詰めていくと、55周には3番手まで浮上。再び表彰台圏内に姿を現した。
その後方では、暫定5番手を走行していた14号車ENEOS X PRIMEの福住にFCY中にコースオフがあったとしてドライブスルーのペナルティが科され、大きく順位を落としていた。続く4番手の17号車Astemoにもピット作業時の手順違反が取られた。
これにより上位争いには動きが出るも、首位では依然として37号車Deloitteのアレジが快走を続けていた。レース最大延長時間の16時45分が迫るなか、予定されていた周回数の84周を迎え、そのまま37号車Deloitteがトップチェッカーを受け、今季2勝目を挙げた。2位には38号車KeePer、3位には12号車MARELLIが続く結果となった。
4位は36号車au TOM’Sが入り、5位にはホンダ勢トップの#100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が入った。この結果により、36号車au TOM’Sは98ポイントでランキングトップをキープ。2位は2ポイント差で37号車Deloitte、3位には6ポイント差で100号車STANLEYが続いている。
上位4台までがトップから10ポイント以内、6位までが20ポイント以内となっており、今大会を終えてチャンピオンシップはさらに激化している。
【GT300】65号車LEON AMGが猛追の末に逆転優勝!PONOSも渾身の走りで初表彰台を獲得
GT300は20号車シェイドレーシングがホールショットを奪うも、早々から上位争いは激化していた。首位後方では、2番手の61号車SUBARUと3番手の777号車のD’station Vantage GT3のペースが一向に上がらず、早々から後続車両に次々と迫られる展開となった。すると、45号車のPONOS FERRARI 296と7号車のStudie BMW M4が華麗にオーバーテイクし、ミシュランタイヤ勢がトップ3を占める。一向ダンロップ勢は濡れた路面に対して少々厳しい状況下にあり、なかなか順位を上げられずにいた。
GT300でもレース序盤に早くもトップが入れ替わる展開となる。13周目に3番手に浮上した45号車PONOSのケイ・コッツォリーノが、20号車シェイドレーシングのすぐ背後へと迫り、すかさずSPコーナーの進入でトップへと躍り出た。交わされた20号車シェイドレーシングは、以降もペースが上がらずに7号車Studie BMWにも先行を許すこととなった。さらには右リヤタイヤが外れたことによりピットイン。これにより上位争いから脱落となり、ポールスタートからトップ争いを演じていただけに悔しい展開を強いられた。
中盤へと突入し26周目に入る頃には、25号車のHOPPY Schatz GR Supra GTが最終コーナー手前でマシンを止めてしまい、接触があったと思われる96号車のK-tunes RC F GT3も緊急ピットイン。その影響でSCが導入された。32周目に再開を迎えると、そのタイミングでつい次と各チームがピットインし、スリックタイヤへと履き替えていく。
そのスリックタイヤを履いた車両がラップタイムを更新していくなか、11号車のGAINER TANAX Zがクラッシュ。そのタイミングを逃すまいと、またも多くの車両がピットに飛び込んでくる間に車両回収のためにFCYが導入されるも、後にSCへと変わる展開に。
そして再開を迎えた50周目、45号車PONOSのステアリングを握るリル・ワドゥが先頭でレースを牽引していくも、2番手に浮上したLEON PYRAMID AMGの篠原拓朗が背後に迫る。このバトルは数周にも及び、付かず離れずの距離感が続き、各コーナーで度々接近戦が繰り広げられた。
その後方では、3番手Studie BMWの荒聖治とD’station Vantageのチャーリー・ファグがバトルを展開。57周目にはファグが荒を捉えて3番手に順位を上げて、表彰台圏内に浮上していた。
一方、長期戦を繰り広げていた45号車PONOSと65号車LEONのバトルは、71周目に決着が付く。65号車LEONの篠原が最終コーナー立ち上がりで65号車LEONのワドゥに並びかけると、1コーナーで仕留めてトップに浮上。そのまま篠原は、リードを広げていき、トップチェッカーを受けて第4戦富士に続く2連勝を決めた。
45号車PONOSは2位でフィニッシュし、コッツォリーノとワドゥにとってもスーパーGTにおける初の表彰台に。3位には777号車D’stationが入り、今季2度目の表彰台を獲得。7号車Studie BMWが4位、61号車SUBARU BRZが5位に入った。トップ3はブリヂストン、ミシュラン、ダンロップと3メーカーが表彰台を分け合う結果となった。
レースウィークを通して生憎の天候となったが、延べ2万4900人がスポーツランドSUGOに足を運んだ。予選がキャンセルとなったものの、決勝では両クラスで見応えのあるレースが展開された。終盤戦へと突入し、チャンピオン争いからも目が離せない状況にある。